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優しき罪人のIPPOのレビュー・感想・評価

優しき罪人(2018年製作の映画)
3.5
「未体験ゾーンの映画たち2022」上映作なのだけど、U-NEXTでも配信が開始。
押しも押されぬ元韓国名子役キム・ヒャンギとタン・ジュンサン。最近はもう子役とは言えない年齢になった彼らが姉弟を演じた数年前の作品。

これはまさに、キム・ヒャンギ劇場。
素晴らしい。撮影時まだ17歳くらいだろうか、難役をよくぞここまで演じたものだ。

ストーリー
中学時代に交通事故で両親を同時に失った少女。それ以来弟の学費を稼ぎながらフリーター生活をしていた。弟が起こした事件の示談金が払えず焦燥感に駆られた少女は、両親を死に追いやった加害者のことを思い出す。金の無心をするつもりではなく、ただただ自分の過酷な生活の元凶を生んだ加害者の今の暮らしぶりを見てみたくなったのだ。
少女は自らが被害者遺族だと隠し、加害者夫婦の営む豆腐屋でバイトを始める。意外にも加害者夫婦は少女を実の娘のように可愛がり、いつしか少女は失っていた安らぎを感じ始めるのだった…


刑期を終えて質素に暮らす加害者の中年男にユ・ジェミョン。この人「梨泰院クラス」のヒット以降、ほんとよく目にするなぁ。元々色々な作品に出ていたのだね。
その妻をキム・ホジョンが演じ、夫婦の苦悩を帯びた心情、生活もきちんと描かれる。

こんなシンプルで苦しい作品も、きちんと良い役者使って作ってる韓国映画界よ。良き作品でした。

本筋から外れるけど、やっぱり交通死亡事故って加害者、被害者双方の人生が狂ってしまうのだと怖くなりました。
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