やましん

優しき罪人のやましんのレビュー・感想・評価

優しき罪人(2018年製作の映画)
4.2
被害者の赦しと、加害者の贖罪をテーマにした韓国の社会派ドラマ。
『神と共に』『無垢なる証人』のキム・ヒャンギが、両親を失い弟と身を寄せて生きる姉を演じる。

はからずも両親を事故死に追いやった加害者に近づく事になった少女が、自分の正体を知らない加害者の善意と優しさに触れ、憎しみと赦しの間で葛藤する物語。
簡単に自分の両親を死に追いやった加害者を赦せるはずもない。
でも仕事の世話もしてくれ、誰よりも自分に優しく接してくれる加害者をこれ以上苦しめたくはない。

人の心とは、いつまでも憎しみを持ち続けられるものだろうか。
いつかは悲しみにピリオドをうって、前を向いて歩き出す時が訪れるのだろうか。
映画を見て、自分の心の強さを試されているような気がした。

これは公開が2018年で、『神と共に』と重なる頃の作品だけれど、キム・ヒャンギの演技と表情が圧倒的すぎる。
悲しみと憂いと憎しみを隠しつつ、明るく振る舞う姿と表情がとにかく素晴らしい󾍇。

正解はわからないような難しいテーマだけど、人に優しくすること、憎むことについてとても考えさせられる作品でオススメです。
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