おたしん

足跡はかき消してのおたしんのレビュー・感想・評価

足跡はかき消して(2018年製作の映画)
3.6
PTSDがどれほど辛いかは分からないし体験したことのない人の想像を超える大変さだとは思うんだけど娘を巻き込むのは違うんじゃないかな。

人から離れて森の中で暮らしたり察するとすぐに逃げてしまったり。
優しさ溢れる対応をしてもらった親切な人たちですらすぐに離れようとするから相当重症なんだろう。

トムもパパが大好きだろうし外での生活を"普通"にしてるけど日常になっているから気付いてないだけかもしれない。
彼女自身の選択ではなく父親と半強制的にこの生活をしていて世間を知らないのはどうなんだろうか。

父親が「友達からの評価が重要か?」って聞いたの嫌だったな。
子供と大人でももちろん人それぞれ重要なことは違います。
自分の考えが娘にも正しいなんて思わないで欲しい。
トムが「適応した方が楽だ」と言ってて大人だと思った。

自分だけで生きるなら何しても勝手だけど娘の人生は父親が決めることじゃない。
PTSD克服には時間がかかるし自分の努力が必要だろうけど娘を付き添わせなくていいし頼るのは医者にしてください。
まあそれが難しいんだろうけど。

ラストは正直スッキリしちゃいました。
すごく切ないんだけどさ。
2人とも一緒にいるってことが1番なのは同じなのに。
辛く重い決断をしたトムが立派だ。

PTSDの過酷さと娘の成長が親子の愛と絆に試練を与えた。
いつか2人で幸せに暮らせてますように。

それにしても助けてくれる周りの人たちが優しくて優しくて。
そこから何か学ぶことができそうなのにな。
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