けーはち

アマンダと僕のけーはちのレビュー・感想・評価

アマンダと僕(2018年製作の映画)
3.8
フランス映画。主人公はシングルマザーの姉を持つ24歳の青年。ある日、姉が急逝、彼は姪の後見人となるか、人生の岐路に……

まだ若く未熟な青年と母親の死を受け入れきれない少女が、共に暮らし家族になるまでの交流が軸の、古典的っちゃ古典的家族ドラマだが、そもそも主人公姉弟の親は話に絡まない(父親は死別、英国人の母親は離婚し帰国)という点が物語のキモになる。また、姉の死は某組織のテロ事件により引き起こされた、というのも現代らしいポイント。

とはいえ、社会派なテーマより、仲良し姉弟の姉を亡くした、おっとりした頼りなげな青年の父性的な成長を見守っていく人間ドラマ面が基本。姉弟ともに真面目で微笑ましく好感が持てる人物像で、対照的に最初マセたクソガキに見える姉の娘(姪)が段々愛おしくなってくる話運びは丁寧。姪の処遇を決めるにあたり自分探しするロードムービーの果てには英国の母親。最後に彼が見るものは。笑って泣けて最後まで惹きつけられる佳作。