KnightsofOdessa

三人の夫のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

三人の夫(2018年製作の映画)
2.5
[聖と性と生を巡る旅、或いは淫靡な人魚姫] 50点

ムイの台詞の9割が喘ぎ声なのにR-15ってことは踏み込んでないのかっていうとそうでもない、変態的な『人魚姫』でありながら単純な寓話に落ち着かないセックスブラックコメディというかなんというか。というしっちゃかめっちゃかな一文が象徴する通り、一筋縄ではいかない不思議な作品。印象的なムイの目は落ち着きなくぐるぐると動き回り、生を受けた世界を性で測ろうとする。その三人の夫は同時に三人の父親であり三人の息子(意味深)であるという関係性も面白いが、それにムイの息子が加わるという変態性も大変宜しい。しっかりMacBookAir買ってるのも宜しい。精がつく鰻をコンドーム被せてそのまま突っ込むのも、失った右腕をそのまま突っ込むのも、パパイヤを股間に見立てて昇天するのも、どれもいいんだが、一番いいのは騎乗位で市内観光するとこでしょうね。ゆっさゆっさ巨体が揺れる奥に細長いビルヂングだもん。

海陸に続く空に"Nothingness"を当てた当たりから映画は色彩を失い始め、客も取れない一行は現代中国を海側から彷徨い続ける。部屋に籠っていたムイは船首に立って船首像の如く海を見つめ続けることになる。そして、聖性は帯びてるけど聖人じゃないっていうラスト。性人でしたってか?やかましいわ。
KnightsofOdessa

KnightsofOdessa