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マチルド、翼を広げのmizukiのレビュー・感想・評価

マチルド、翼を広げ(2017年製作の映画)
3.8
無邪気かつトラブルを抱える母親を持つ子の気持ち…わかりすぎてちょっと辛くて、全部みるのに時間がかかった。無邪気な母親は、楽しいことは色々教えてくれるけど、自分のことばかりなので包容力はない。親はちょっとやそっと寄りかかっても(頼っても)揺るぎなく、その安定感に子は安心するものだと思うが、それが無い。ちょっと寄りかかるとぐらぐらで倒れてしまう。子は寄りかからないように気を使い、逆に親はいろいろな事情があり子に寄りかかろうとする。子は親にそもそも生活(精神面と、特に金銭面)において依存しているため、ここで強固な共依存関係が生まれる。お互いがなくてはならない存在。異常に距離が近く、閉塞感(二人だけの世界)が生まれる。まあ、典型的な「ヤングケアラー」ってやつよね…。私の場合は6歳ごろまでだった(無邪気な母は産後うつに苦しみ数年引きずっていた&父は働き盛りであまり家にいなかった)からマチルドほどではないと思うけど、独特な雰囲気にあまりにも心当たりがあるから、自分も若干そうだったのかもとこの映画を観て思う。
神経衰弱状態での子育て怖い。特に核家族の場合、機能不全家庭になる可能性がある。
全部誰も悪くない。しょうがない。親のせいにもした、自分のせいにもした、でもどっちも自分にとっては納得できなかった。誰かのせいに見えても、全部結果論だから。色々割り切って、誰のせいにもしないで生きようね。
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