ハレルヤ

マチルド、翼を広げのハレルヤのレビュー・感想・評価

マチルド、翼を広げ(2017年製作の映画)
3.8
精神が不安定な母親を持つ9歳の少女マチルド。ある日母からペットとしてフクロウがプレゼントされ、そのフクロウとは会話が出来て、彼女の心の拠り所になる。母の状態が悪くなる中、マチルドは母との絆を確かめるヒューマンドラマ。

フランス発のファンタジー要素を交えたドラマ。監督のノエミ・ルヴォウスキーの自伝的な物語で、自らも主演を兼任し、劇中での情緒不安定な母親像がとにかくリアルに見えました。

トラブルを起こしたり、突然行方不明になったりする母親に苛立ちながらも、母親の事を愛してるマチルド役はリュス・ロドリゲス。本作が初主演作とは思えないほどの演技力。映画に出演しているのがこの作品だけというのは勿体無いと感じましたね。

別居している父親にはフランスの名優マチュー・アマルリック。出番は短かったものの彼の存在感はしっかりと感じ取れます。

マチルドがペットのフクロウと会話できるというところが本作のミソ。これがなかなかコミカル。一歩間違えたらかなり暗い作風になりがちですが、ユニークな会話ができるこのフクロウの功績は大きいと思いました。

ラストシーンの美しさも思わずグッとくるほどのもの。目立たない作品ですが、かなりの良作。時間も短めなのでかなり見やすい作品です。
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