マルカマーク

マチルド、翼を広げのマルカマークのレビュー・感想・評価

マチルド、翼を広げ(2017年製作の映画)
3.5
マチルドは、学校やクラスメイトにも馴染めない女の子。
詩や物語を書いたり、空想することは大好き(学校に馴染めない子って、そういう子が多い気がする)。
マチルドのお母さんは、思考がとっ散らかったりいきなり悲しんだり、何も言わずに出掛けちゃったりしてる情緒不安定なひと。
お父さんは、お母さんとは離婚してるけれどマチルドとお母さんのことを今でも気にかけている優しいひと(お医者さんをしている模様)。
お母さんは突然、マチルドにプレゼントを贈ります。
そのプレゼントは…手乗りサイズのフクロウ!
エサを食べさせたり鳴き声をマネしたり…可愛がっているマチルドはとっても嬉しそう。
しかし、フクロウにおやすみを言って眠ろうとしたら、誰かしゃべった!パパ?いや、部屋にはマチルドとフクロウしかいない…。
なんとフクロウは、マチルドとだけ、おしゃべりができるのでした。
それから、マチルドの生活は、楽しさが溢れたものになると思ったのですが…。というお話。

監督がマチルドのお母さん役を演じていて、監督のお母様に捧げた映画だそう。
フクロウがスローモーションで羽ばたく映像や池の中に娘が閉じ込められた映像など、幻想的なシーンも多く、ラストシーンとあまり多くを語らず余韻を残して終わった。

フランスの子供部屋って、やっぱりかわいいよね。
壁紙や時計、細部までとてもかわいい。
マチルドのお洋服もおしゃれ。
家の中でパジャマの上に着ている赤いモコモコしたカーディガンや、マスタード色のズボンとマスタード色のカーディガン、その下に赤い花柄がついた水色のシャツを合わせているのが特に素敵だった。
フランス映画は、物語抜きにしてもファッションやインテリアを見れるだけでもいつも嬉しい。
あとマチルドのお父さん役のマチュー・アマルリックがかっこよかった。
三上博史とトム・ヨークを足して2で割った感じ。

物語は、お母さんを巡る悲しい現実とマチルドとフクロウとのかわいい友情とが交錯して、幸せとか不幸とか簡単に言い表せないマチルドの現状が浮き彫りになっていた。

最後、大人になったマチルドとフクロウは離ればなれになったのかな。
それでもフクロウは、マチルドのことを森のどこかで見守っていてほしいな。