原題 「미쓰백」
原題は、主人公の名前、『ミス・ペク』である。
本作は、韓国で実際に起きた虐待事件をモデルに描いているらしい。
この『虐待の証明』という邦題はちょっとどうかと思う。本作は、確かに父親とその彼女に虐待されている少女と、過去に虐待を受けたトラウマを持つ主人公の女性、ペク・サンアとの心の交流を描いているのだが、虐待の証明なんていう大袈裟な邦題よりも、原題のミス・ペクの方がしっくりくると思うのだが。
誤解を恐れずに言えば、本作は女ハードボイルドモノであるのだよ。
つまり、本作はカサヴェテスの『グロリア』みたいな映画でもあるのだ。だから、やはり、邦題も、主人公の名前である、ミス・ペクにした方がよいと思うんだよね。
虐待問題を扱ってはいるが、本作は紛れもなくエンターテイメント作品である。
送り手側は、受け手側を、泣かせてやろうという考えで本作を作ってるのが、過剰なほどに流れる泣かせ的劇伴でも見え見えなんだが、まんまと泣かせていただきましたよ。苦笑