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メランコリックのaymmのレビュー・感想・評価

メランコリック(2018年製作の映画)
4.2
なじめない同窓会
いつもと同じ食卓
東大卒なのに…って聞き飽きた質問

パッとしない生活を送る男の人生が銭湯で一変する。
スリリングなアクションシーン、殺しの生々しさもさる事ながら、
冴えない男の不器用さが絶妙!
「幸せにはなりたいよねぇ。」
そんなシンプルなメッセージが、死体処理という死臭漂う非現実的な行いから放たれる。
この絶妙なリアルとサスペンスのバランスが素晴らしい。


監督が今作のタイトルをつけた理由について次のようにコメントしていた。

"メランコリックは憂鬱という意味だけど、個人的には響きが好き。「ンコリッ」のところの可愛さ可笑しさが気に入っている。今作でもその可笑しみを表現したかった。"

思わず吹き出してしまったけれど、まさに今作の魅力であるユーモアと愛おしさはそこにあるように思う。
なんだか応援したくなるダサさ、他人事じゃないような親近感。

カズヒコの、モテない感じダダ漏れの表情が最高に良い!
松本もどんどん魅力的に見えてくるし、東さんのオーケィ?が凄くジワる!
初の長編とは思えないクオリティと、熱量のある邦画に出会えて満足感大!

見事な脚本と演出力、俳優たち全員の演技力が光る良作でした!


【補足】
主演、プロデューサーを務めた皆川暢二、監督脚本の田中征爾、アクションシーン構成、演出と、松本役を務めた磯崎義和。
同年代三人組が作った映画制作チームone goose 。第31回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門では監督賞、ヨーロッパ最大のアジア映画祭・第21回ウディネファーイースト映画祭で新人監督作品賞が贈られた。
今後が楽しみ…!
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