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暗数殺人のギャスのレビュー・感想・評価

暗数殺人(2018年製作の映画)
3.4
これが実話ベースとは。
よく練られた脚本だ、と思うだけでは済まない胸の痛みが残る。
演技も、犯人の不安定だが圧倒される存在感、刑事の被害者を想う熱意のある姿、共にとても素晴らしかった。

初めて知った"暗数"という言葉を使ったタイトルも謎めいていて、かつとても合っていて良い。
【暗数:実際の数量と統計上あつかわれる数量との差。主に犯罪統計において、警察などの公的機関が認知している犯罪の件数と実社会で起きている件数との差を指す。】


ネタバレ
自白することによって無罪を勝ち取るという、頭の良すぎる犯人の罠にうなり、こちらも翻弄され憤りがつのる。
お前に勝つためではない、誰にも知られず土の中で腐る被害者や家族に面目ないから諦めないのだ、という刑事の気概にグッとくる。
命を大切に扱われなかった人間は、他人の命ももちろん尊重できず、自分の命さえ容易に断ちがち。やりきれない。
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