“バッキーの目にも涙”
セバスタ初主演の実話に基づいた作品。
脇を固めるのは、
クリストファー・プラマー
ピーター・フォンダ
エド・ハリス
サミュエル・L・ジャクソン
ウィリアム・ハート
ジョン・サベージ
という超豪華布陣。
何よりすごいのは、彼らが皆、物語の中での重要な役割を演じているという奇跡。
彼らとの化学反応でセバスタの俳優としての素晴らしさも見事に引き出されていました。
彼が演じるのはペンタゴンの官僚ハフマン。
ベトナム戦争で戦死した“ある兵士”に対する「名誉勲章」の申請が30年以上も履行されないことの調査のため、ハフマンは申請に関係したこの6人と接触していくのですが、彼らが“ある兵士”とどのような関係で、どのような想いをもっているかを知っていく過程で、彼の人生観は変わっていきます。
それは観客にとっても同じこと。
“ある兵士”が戦死した、とある作戦の生々しい戦闘シーンが幾度となく描かれますが、同じシーンであってもそこで起きていることへの見方はどんどん変わっていきます。
ともすればベトナム帰還兵のPTSDをテーマとしている作品だとか、ベトナム戦争のヒーローを描いたアメリカ万歳的な作品と捉えられかねませんが、この作品の本質は全く違うものだと感じました。
人の抱える苦しみに対して真摯に向き合うことがどれだけその人の救いになるか、そしてたった一人の行いでもどれだけ多くの人に影響を与えるかということを、この作品は描いています。
ラストシーン、そしてエンドロールでの、この出来事に関わった実在の人々の証言シーンには、自分も含め多くの観客が涙していました。
この作品が遺作となったピーター・フォンダ、クリストファー・プラマー。
彼らの最後の素晴らしい演技をスクリーンで観ることができて本当によかったです。
R.I.P.
p.s.
セバスタ、サミュエル・L・ジャクソン、ウィリアム・ハートが同じスクリーンにいることになぜかニヤニヤしてしまいますw