アメリカ人の一人の空軍兵士の勇気ある行動が、多くの陸軍兵士を救い、そして関連する軍人、家族、その行動を知った人々に共感を広げ、感動へと伝わっていく。
しかし、その事実が認められるまでには、30年以上の歳月がかかってしまった。
ベトナム戦争時の誤った作戦によって、多くの犠牲者を出し、間違った指示によって、味方は危険に陥った。このことを公にしたくないために、名誉勲章が与えられずにいた。
しかし、彼によって助けられた兵士たちは、長い年月に渡り、名誉勲章を授与されることを訴え続けた。そして、この言葉を聞き、自分のキャリアをかけてまで翻弄する国防省の青年が現れる。
ベトナム戦争については、多くの犠牲を払い、心身ともに傷ついたアメリカ人が大勢いる。ベトナム戦争を通じて、何のための戦争かを考えた若者も大勢いた。
日本で観られる映画は、殆どがアメリカ側からみたベトナム戦争である。
当時ベトコンと呼ばれ、顔の見えない敵として恐れていたベトナム人兵士にも、親がいて家族を守るために戦い、アメリカ人以上に非常に多くの犠牲者を出した。
それでも、長い年月諦めず、事実を訴え、誤ちを認め、その功績を称え、真実を追求していくアメリカ人の強さを認めないわけにはいかない。
現地に住みついた元米兵に会うために訪れた現在のベトナムの土地は、穏やかな自然に満ち、多くの若者、子どもたちの笑顔がある。
英雄はいつの日か、伝説となり、平和への道標となることを祈る。
