Tully

ハイ・ライフのTullyのネタバレレビュー・内容・結末

ハイ・ライフ(2018年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

宇宙のイクメン囚人を描いた世界初の作品。孤独、絶望、望む命と望まぬ命、実験目的の性と抑制できぬそれ、整然と猛然、理性と狂気、闇の淵で死刑囚が邂逅する絶望と温もりの旅。って書いたら面白そうに見えるかもですが、今年一番眠たい作品でした。人類の存続を賭けた大冒険なのに、なんで乗組員全員理性的な行動が出来ない囚人なのか。たった1人の科学者がなぜ欲ボケたただの変態マッドサイエンティストなのか。必要以上の暴力シーンとダイレクトなグロ描写なども含めて無理がいっぱいで無理でした。面白いシーンがあります。ある黒人の囚人が、船内の菜園で寝る癖があるんですが、ある日彼が土の上に横たわっていたら、急に体が消えてキャメラは残された土を捉えます。その直後、いったいどうしたことか、土がこんもり盛り上がっているんです。体一つ分ぐらい。どうやらお亡くなりになって埋葬されたみたいなんですが、彼が命を落とす理由や前後関係が一切描かれてない。「マッドマックス怒りのデス・ロード」みたいに説明を省いた作品は好きなんですが、脈絡がなさ過ぎてズッコケそうになりました。つまりこの題材はコメディとして扱えば面白くなったのではないだろうか?以下、ネタバレと気分悪くなること書いてしまうかもなので読まないでください。船内最下層に自慰室があり、みんな順番に使います。変態科学者のジュリエット・ビノシュがそこで見せるロデオ的自慰シーンが大真面目なものだから見るに耐えないんですが、コメディとして撮ったらめちゃめちゃ面白いのに。詳しくないんですがミア・ゴスっていう売り出し中の新進女優が、望まぬ精子をビノシュに入れられて、それをほじくり出すシーンがあるけどこれもコメディなら大爆笑になったはず。主人公と娘の関係もまた。望んでなかった子どもなのにビノシュの策略でパパになった主人公。小さい頃は本当に可愛くて、いいパパである。この子、ラストの方では美人さんに成長します。ある船との出会いがあり、この先に待ち受ける主人公の苦悩、つまり娘を性の対象と見てしまう苦悩を示唆するんですが、この苦悩をコメディでやってくれたらかなり面白いのに。とにかく全編破茶滅茶なのに真面目すぎて恥ずかしいからコメディリメイク推奨します。
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