りょうた

カーマイン・ストリート・ギターのりょうたのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

ニューヨークの建築に使用された古材を使ってギターを作る。1800年代の捨てられるはずの木材がギターとなり、第二の姿に生まれ変わって。ある木材は老舗のバーで使用されていたものであり、ビールが染み込んでいるのではないかと。それに150年分の傷と汗と記憶がそこにはあると思うと、ワクワクせずにはいられない。店主の男は何よりもギターと音楽、そして木が好きなのだとヒシヒシと感じる。古材の傷をそのまま活かしてギターにする。木材は切られてもなお変化し続けている。そして木材同士が反響し、またギターとなって音を吸収し、また返す。
物を作ることの魔術的な性質を強く感じ、興奮しながら木材を見つめている自分がいた(ただ木材はそれほど映されない点が歯痒い)。丁度『ハリーポッターと賢者の石』のオリバンダーの杖屋を見ているような感覚を思い出す。
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