つん

夜の来訪者のつんのネタバレレビュー・内容・結末

夜の来訪者(2015年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

久々にぐっと引き込まれて観た作品。
キャストがそれぞれに適役で自然と入り込みやすかった。

エリック役のフィン・コールはすごく好きな見た目なんだけど、その目の表情や動きから霜降り明星せいやにしか見えなくなってしまった。
でもとても好き。他の作品でも見てみたい。

エヴァ・スミス役のソフィー・ランドルは出てきた瞬間から目を引く美女で、でも幸薄顔というかどこか儚げなのが印象的。
こちらは「ジェントルマン・ジャック」に出演してるということで、ますます見たくなった。

ストーリーは展開していくうちに心が締め付けられて、聞くのも辛い内容にはなっていくのだけど、ある部分では仕方ないのかな…と思ってしまう。そう思いながら見ていくと、最後にはそこが自分の立ち位置だと知る。

格差社会や社会に対する責任や、困窮している人々に対しての態度や考え方を今一度考えさせられる内容。
自分には関係ないことだと思っていても、社会で生きているからにはどこかで繋がっている。
持つものが持たないものに分け与えることが当然ではない世の中で、どれだけのことをできるのかと思うと実際にチャリティされている方々に頭が下がる思い。

同じ事実を突きつけられても、反応はそれぞれで、これはもう本人の性質や人格で簡単には変わらないものだろう。
第三者として見ている私も、実際に当事者になったら、どう振る舞うのだろう。
物語の中では正しくありたいと思っていても現実にはどうなんだろう。といたたまれなさを感じる。

グール警部はきっと死神のような存在なのだろう。名前はGhoulを隠喩しているのかな。

父親役のケン・ストットがずっと誰かに似てると思っていたら、最後の最後に自分のクリニックの先生にそっくりなんだと気付いて面白くなっちゃった。最後まで気付かなくて良かった。。

時々、映画よりも面白いドラマに出会うことがあるのだけど、これはその一つでした。
つん

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