このレビューはネタバレを含みます
久しぶりに良作に出会えた。
私たちは知らず知らずのうちに他者を不幸にしてしまっているのかも知れない。それら一つでは決定的でなくともそれらが連鎖して重なってしまえば最悪の事態を招く。いつか、誰かが、どこかで、救いの手を差し伸べれば、チェーンは切れる。それがいじめであったり、戦争であったりもする。
英語力に乏しいが、グール警部のセリフは聞き取れ、そして胸に響いた。
"We are responsible for each other."
人は愚かだが、失敗から学べば成長する。だが、貴重な学びをすぐに忘れてしまうのも人間だ。娘と息子は学びを胸に刻んだが、父親と母親はすぐに忘れてしまった。残念ながら実年齢を重ねるごとにその傾向は強まるが、心は常に娘と息子のように若くあるべきだ、などと思った。
絶望の中で終わるのかと暗澹たる気持ちになり、いや、ハッピーエンドで終わるのか！と思い、その後に深く考えさせられることとなった。
