HidekiIshimoto

LORO 欲望のイタリアのHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

LORO 欲望のイタリア(2018年製作の映画)
4.5
他のソレンティーノ映画より低評価で観過ごしてきたけど、他に劣らずくらった。自民若手議員も羨む酒池肉林。の中心にそそり立つのは激笑みの二階俊博みたいなベルルスコーニ。笑顔がホラー。二階がこれ観たら「よし俺も笑顔で政界復帰だ!」と気合入れるだろう。けどこの酒池肉林の底には哀愁が澱んでる。老醜と老臭から滲み出すキツい哀愁。乱立する肉林の女達からも同じ哀愁がキツく臭っている。臭ってないただ1人の女の子だけは哀れを嗅ぎつけ去っていく。乱立してるのは老いも若きも関係ない哀れさだった。で思い出した。酒池肉林という四文字熟語を初めて聞いたのは、あのねのねのオールナイトニッポンでだった。翌日「酒池肉林って何ね?」と母親に聞いてしまう哀愁の俺だった。中学2年だった。思い出すと今も身がよじれるけどまあいい。ソレンティーノ×セルヴィッロ版『ウルフ・オブ・ウォールストリート』な感じのこれは、ディカプリオ超えのセルヴィッロがとにかく怪物。とにかく自民なんかぜんぜんまだまだ。これ観て頑張れ。