LORO 欲望のイタリアの作品情報・感想・評価

上映館(9館)

LORO 欲望のイタリア2018年製作の映画)

Loro/Them

上映日:2019年11月15日

製作国:

上映時間:157分

あらすじ

「LORO 欲望のイタリア」に投稿された感想・評価

なつ

なつの感想・評価

3.5
イタリア元首相の“ベルルスコーニ”を、モデルにソレンティーノ監督が描く。

ベルルスコーニ知ってます?
こんな人が自国の首相なんて恥ずかしい!でも、どこか憎めなかったりもする。
・マフィアとの癒着、横領、脱税。
・整形、植毛の繰返し、シークレットブーツを愛用(ばれてるんだね?笑)
・オバマを、“若くいい男で、その上日焼けしてる”と言う。“選挙期間中は、禁欲絶ち”の謎の公約!
・無類の女好き、てか女狂い。
ブンガブンガパーティーが有名!

他にも多々あって、醜聞は枚挙にいとまがない。こんなエピソードてんこ盛りだから、どう描くの?て楽しみにしてたんだけど…想像とは少し違ったかな。
ブンガブンガパーティーシーンは魅入ったな。
出てくる女性が様々な種類の美女で監督の方がよほど女好きなのでは?と勘繰ったわ。
決して若くないことを思い知らされる哀愁漂う作品でした。
ベルルスコーニを批判的に描かずフラットな目線が好感は持てた。
周りの、媚びへつらっている人達の方がよほど狂ってみえたな。
うちの首相もそうだけど……
国を良くしようなんて更々なく、権力に魅力を感じている人なんか、絶対にノーだ。
断片的で印象で魅せる流れとは思わず、結構面食らった。
美女と、身につまされる台詞の応酬にヘロヘロ。イタリア行きたい!
最近話題のMDMAがいっぱいw
これから観る人はシルヴィオ・ベルルスコーニを少しググっていくとより楽しめるかも!
彼のクズさがよくわかる!ちょっとエロいです。
『じいじはウンチを踏んでない。この先もずっと踏まない』
n

nの感想・評価

4.1
フェリーニのローマは生きているな…とまたしても実感させてくれたソレンティーノ。好きか嫌いかは別にして、やはり得難い存在であると感じる。はて今まで『ヤング・ポープ』を観ていたんだったかと錯覚するような終幕も素晴らしい。
MDMA映画としてもおすすめ。
ヨーク

ヨークの感想・評価

3.9
凄く面白かったのですが政治には疎いし難しくて良く分からんところが多かったなぁと思い、この感想文を書く参考とするため本作のレヴューやら紹介記事を読んでみたんですがあるサイトでの『LORO』の紹介文を読んで疑問が氷解。あぁそういうことだったのかとガッテンガッテン! でした。
俺が本作で感じてた違和感としては作中の随所に何か話が飛んだなぁと思うところが多くて、珍しく一睡もせずに観ていたのにシーンとシーンの繫がりが不自然に思えるような箇所があって不思議だったんですよ。特に序盤。この映画は最初はベルルスコーニではなくイタリアの地方で女衒のような怪しい仕事で生計を立ててる若い男が出てきて彼の視点でお話が進むんですね。で、その女衒の男がいつまでもこんなうだつの上がらない仕事をしていたくはない、ローマに出て一花咲かせたい、そうだベルルスコーニに取り入ってビッグになってやろう! という目標を持ってベルルスコーニに接近していくわけです。でもそのお話のテンポがやたら遅かったり、かと思うと急に話が飛んだりで困惑するし、肝心のベルルスコーニも最初の一時間くらいは出てこなかったりと映画のつかみどころがいまいち分からない。
でもまぁそれもそのはずで、どうも本作は元々は200分もある長大な映画だが海外で配給する際に150分までカットしていたそうなんですよ。ちなみに100分ずつで前後編に分かれていて、前半100分が若き女衒のお話で後半100分がベルルスコーニのお話という2部構成になっているそうな。なるほど、それで妙にゆっくり進行すると思ったら急にシーンがすっ飛んだような感覚があったのか、と納得。
それで腑に落ちたんだけど前半の冗長とも思える女衒パートはベルルスコーニという怪人物を描くために彼の鏡合わせのような人物が必要で、それが女衒の彼だったのだろうと思うわけです。もっと直截的な言い方をすれば若き日のベルルスコーニの姿として女衒の彼を描いたのだと思う。そう思うとすごく読み解きやすくなる映画で、ベルルスコーニ(めんどいから以下ベル)も女衒の彼(いいかげん名前を調べたらセルジョ君というらしい)も基本的には自分の人生に何か具体的な目的があるわけではない。上記したようにセルジョは都会でビッグになりたい、金持ちになりたいと思っているがなぜそうなりたいのかは何も考えていない。かたやベルも政治のことなど何も考えていなくてやることといえば人気取りのための人心掌握と如何にも外面のいいことを喋るだけで、要するにチヤホヤされたいだけだろうというのが透けて見える。本質的にはセルジョもベルも自分のことしか考えていないわけです。
そこに本作の面白さはあって、さっき鏡合わせの二人と書いたがダブル主人公の彼らは正に自分が欲しいものと自分が持っているものを互いに補完し合っている関係なんですよ。セルジョは金や権力が欲しい。対するベルは金も権力もあるけれどそれらを使って楽しむための若さが欲しい。その欲望と現実が互いに一致しないところが面白いですよね。特にベルは金も権力もあって女だっていくらでも寄ってくる(セルジョが取り入るために集めた女だが)んだけど悲しいかなもうおじいちゃんなんですよ。つまるところベルの最大の願いはいつまでも勃起していたいということなんだろうけれど、同じ男としてそれはとてもよく分かる。とてもよく分かるけれど同じくらい醜いなぁとも思う。70過ぎのジジイが20歳の女と寝ようとするのは夢があるけどバカな夢だよ。アホみたいな乱痴気パーティーをいくらしても肉体が若返ることはないのだ。そこら辺が面白おかしく、かつ切なくて物悲しい良い塩梅でしたね。
あと作中で「甘い生活みたいだ」というセリフがあったと思うけれど本作はかなりモロにフェリーニ作品に寄せていると思います。白々しいほどに華やかで豪華な見た目と共に盛者必衰的に朽ちていく空虚な内面が同時に描かれていてよいですね。なんとも物悲しい雰囲気のあるメリーゴーランドとか最高でした。
下品な男のファンタジー的なエロいシーン多数でその辺も最高。ベルが女たちに見せて盛り上がろうとしたであろうポンペイの噴火を模して作ったセット(ボタンを押すと火山が噴火する仕掛けがある)のボタンを一人で押して笑ってるんだか泣いてるんだか分からない顔をするシーンとか素晴らしいっすね。あれ噴火は射精のメタファーなんだろうなぁ。笑っちゃうけど悲しいなぁ。
基本的にセックスとドラッグと金と権力が出ずっぱりな映画だけれど、本作のラストシーンの静謐さはいきなりするどいカウンターが飛んできたみたいで凄い幕引きでしたね。どんなシーンかは書かないでおく。
ギラギラな若い男と枯れ果てそうな老人の対比としても面白いし、そこに寓話としての政治性を当てはめるのも面白いですね。何よりおっぱいをたくさん見れたので大満足です。面白かった。
somal

somalの感想・評価

3.6
イタリアの大政治家で、メディア王、ACミランの元オーナーてある、シルヴィオ・ベルルスコーニ元イタリア大統領を描いた作品。
虚実織り混ぜた出来損ないのバイス🎬って感じの作品でしたが、バイス🎬と大きく異なるのは元大統領に対する作り手の深い愛情を感じられる点。
ISSAみたいに定規で描いたような真っ直ぐな頭髪の生え際が見事に再現されていました。

三時間弱と尺が長めで、かつ、イメージビデオみたいな描写が多いので、寝不足の人は確実に眠れると思います。
途中、トイレのために離席したのですが、ちっとも話が進んでいなくて驚きました。

元大統領のエピソードを知っている人は、これってあの事件だよね?とか、気が付くと思いますが、それにしても冗長。

前半、主人公らしき、昔のアントニオ・バンデラス風の男を中心に話が進むのですが、後半ほとんどいなくなっていました!
(オリジナル版は三時間以上あるそうなので、カットされた影響もあるかも)

女癖が悪いし、「オバマは日焼けしている」、「ミシェルも日焼けしている」など、失言にも枚挙に暇が無い元大統領ですが、個人的には大好きです。
たむ

たむの感想・評価

4.2
ベルルスコーニをモデルに煩悩のイメージのみで描ききった凄まじい作品です。
ソレンティーノ監督とセルヴィッロさん主演のコンビは、フェリーニ監督とマストロヤンニさん主演のコンビと近い物がありますが、本作を観ていると、それ以上にフランク・キャプラ監督とジェームズ・スチュアートさん主演のコンビが描いた良心のダークサイドのような気がしてきます。
『イル・ディーヴォ』も恐ろしい政治家の映画でしたが、本作は自伝映画的なベルルスコーニという人間がどう生まれ、どういう影響を与えたかを物語として分かりやすく描きません。
ソレンティーノ監督がフェリーニ監督から最も影響を受けた点であるパーティや幻想の中で、イメージで魅せていきます。
陶酔というほど美しい瞬間もあれば、ゲス過ぎて観客を引かせる瞬間もあります。
それがベルルスコーニという人間の本能と本性の核なのではないか。
承認欲求のある煩悩の塊。
理解できるか、拒絶するか。
首相就任からラストは、日本人として決して他人事ではないシークェンスです。
ソレンティーノ監督らしいイメージ先行の映画であり、具体性では見落としてしまう人間の欲望が描かれています。
パオロ・ソレンティーノ、空間芸術と時間芸術これこそが総合芸術第七芸術

前々作の主人公ジェップが自らを俗物の王と称していたがこのベルルスコーニの方がよっぽど俗物的な王

「グラドル」という翻訳だけ違和感
絶対もっといい言葉あったろと
とーり

とーりの感想・評価

3.5
《利己主義者》メリーゴーランドのように結局繰り返されてきたピカレスクか --- パオロ・ソレンティーノ監督のベストな作品じゃないかもしれないけど楽しめる。例えば相変わらず彼らしい映像マジックは冴え渡っているけど、それが火山の噴火 = クリエイティブなスパークとまで印象的かつ効果的でもない気がしてしまった。実際、始まってしばらくは(個人的にこの直前に見ていた他作がテンポ良く取っ付きやすかったこともあるが)「うわ〜コレ2時間半はキツいぞ」と思い、ウトウトしてしまう危険性も大いにあったけど、何だかんだ最後まで楽しんで見ていられた。始まってから主人公が出てくるまで結構時間があったのも一因かも。もちろんそれも意図的であり、一度選挙で破れて首相の座を退き一見すると優雅な引退生活を満喫中なシルヴィオ・ベルルスコーニの説明らしい説明もない。けど心配御無用。あの死んだ目に象徴されるインパクト大な個性的顔立ちの演技派トニ・セルヴィッロが今回も素晴らしい演技で引っ張って魅せてくれる。まさしく怪演だ。例えば裏での政治的駆け引きはやもすればゴッドファーザーやグッドフェローズ的瞬間も無いでも無い(どっち?笑)。喧騒の虚しさに周りを利用してでものし上がろうとする立身への強い拘り。安定の職人技・美意識そしてアーティスティックかつ作家主義なストーリーテリングで現実を幻想し、至高を思考するが如く、徐々にこの沼にハマっていき、ここでは醜悪さすらどこか芳しくなる虚無的教訓。行き過ぎた反面教師も共通性に。地震に見舞われた後に民衆が「返してくれ」と声を上げていたイエス様の像は何を象徴するのか? 作中のセリフを借りるなら共産主義は貧困を実現するが、キリスト教は説くらしい。最後のエンドテロップ載り始めてからの映像も、例えば『グレートビューティー』の川映像の余韻を残すそれとは異なり、疲れきったレスキュー隊(消防・救急?)労働者達の顔で何だか虚しくやるせない。

「私は人生のシナリオを知っているのです」
P.S. イタリアの女性は美しい?
藤見緑

藤見緑の感想・評価

3.8
ネオネオピカレスク。

リフレクションなし 横並びの映画です

iPhone11の広告みたいなトラックの事故や地震による聖堂崩壊の映像がキレキレ。中道右派の政治=酒池肉林×薬物安寧×「入れ歯」(人生)みたいな要素でラストは「ローロ(人々)」の顔を写す長回し。ドンチャン騒ぎした後に洗面所でみる自分の顔を思い出す映画、なのだが実は全然視線の切り返しがないというのが味噌なのでは。
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