このコンビの作品は、アニメーションでしか見せられない演出がわかってるので、ほんとに見ていて楽しい
アニメーションとして見せるべきものを最大限に見せるために、ストーリーの中身なんかどこ吹く風
というのは非常によかったのですが、今作に関しては見せ方に特化しすぎて緩急があまりにも薄く（最初から最後までほぼ急）なってしまい、キャラクターの深掘りや関係性の変化を最小限にしているため最終決戦でのカタルシスがほぼ無い。
結果ありきのストーリーなのは全く問題ないけど、ここまでキャラクターとストーリーを記号的にしてしまうと、絵面の“アツさ”と観客のアツさがリンクしなくなる。結果として、後半に行くにつれ過剰とも言える演出に飽きがきてしまうのではないかと思う。
正直冒頭のリオが逮捕されるシーンまでの大立ち回りはガーディアンズオブギャラクシーに次ぐベストオープニングだったし、リオの怒りが 爆発して火山もインフェルノフェイスからの龍化は、すごすぎて泣きそうになった。
ただやっぱり、もうすこしストーリーに捻りが欲しかった。特にクレイフォーサイト関連。彼があーいうサイコな性格に至った理由とか、一万人を選別し移民した先の野望とか、彼の人間性を補完するストーリーがもう少しあってもよかったんじゃないかなと思う。
とはいえほんとにジャパニメーションの極致に挑み続けていると思うし、常に活力のある作品を作り続けてくれていることに本当に拍手。
