しゅん

プロメアのしゅんのレビュー・感想・評価

プロメア(2019年製作の映画)
3.3
幾何学的で色彩の強い画面設計と歌舞伎的演出(&堺雅人)の、冷たさと熱さ、非人間性と人間性の対比。ヒロイズムとエゴイズムを区別できなくなる存在と愚直な職業倫理を保つ存在を対決させる。ありきたりなエンターテイメントだと思いつつ、もっと面白い可能性がある気もしてる。いまいちそれが何かはわからないけど、もしや文字と音楽の使い方かもしれない。立体的な文字のグラフィティ的な存在感には目を奪われるし、延々と音楽が鳴り続けながら変化する様はDJプレイを想起させる。ストリートやクラブで培われてきたカルチャーを、一度消化して再構成しているのかもしれない。いや、ストリートを取り入れること自体は今時分面白くもなんともないのだけど、取り入れ方が面白いのだと思う。

炎上や差別をフィクションに取り込む方法も上手いと感じたな。アニメのことはよくわからないけど、飛行船の街はビューティフルドリーマーへの目配せなのだろうか。
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