ShinMakita

ドアマンのShinMakitaのレビュー・感想・評価

ドアマン(2020年製作の映画)
1.2
ブカレストで在ルーマニア米大使を護衛していた海兵隊一等軍曹アリ・ゴースキ。テロリストの襲撃を防げずトラウマを負ってしまった彼女は、独りニューヨークに舞い戻っていた。軍を離れ、叔父の紹介で就いた新たな職…それは老朽化した高級アパートメント「ザ・キャリントン」のドアマンだった。とは言っても、イースター休暇と改装予定のため、住人はほとんど部屋を留守にしており、今は一階の老いたハーシュ夫妻と10階の父子家庭だけしか居住していない。実は10階に住むのはアリの義兄と甥たちで、アリが家族と関係を修復できるようにと計算して、叔父はドアマンの仕事を世話してくれたのだ。初出勤の翌日、義兄宅に食事に招かれたアリは、家の中がギクシャクしていることで気まずい思いをしてしまう。幼い姪のリリーは素直で良い子だが、甥のマックスは思春期で、父といがみあっていたのだ。そこで、リリーがこぼしたソースの代わりをもらおうと、席を立ってハーシュ夫妻の部屋を訪ねたアリ。そこで彼女は、夫妻の射殺死体を発見してしまう。実は夫妻が隠した名画を奪取しようと、テロリストたちがキャリントン内部に忍び込んでいたのだ。入り口もロックされ、電話回線も遮断されてしまった建物内で、たった一人でテロリストに立ち向かうアリの運命は…?


「ドアマン」


以下、ミントソース・ネタバレ入り。


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「限定空間で、テロリスト相手に孤軍奮闘」という典型的ダイハード・フォロワー映画です。

「沈黙の戦艦」(軍艦)
「ファイナル・スコア」(スタジアム)
「ホワイトハウス・ダウン」(ホワイトハウス)
「スカイスクレイパー」(超高層ビル)

などなど色々あったフォロワーですが、本作は中でも小規模。舞台がアパートメント=古マンションですからね。でも、いくらスケールが小さくても話が面白けりゃいいんですが…本作はそうでもないんだよね。ヒネリも意外性もないというか。救援を呼ぶため火災報知器を使うとか、アリとスタントン家の関係がバレるくだりとか、ダイハードまんまじゃんって感じだし。


アリのルーマニアでのトラウマが生かされていないとか、マックスが建物内に詳しいというバレバレ伏線とかはまだ許すとして、時間経過が曖昧で、外が明るかったり暗かったり、デタラメなのが気になりましたなぁ。アクションの編集も雑な印象で、誰が何してるのか、ちょっと分かりづらいところも。予算が少ないのは解るけど、消防車が明らかに別撮りとバレるのも、なんかダサいよね。

ただ、主演ルビー・ローズの魅力は満載で、迷彩服萌え、ドアマン制服萌え、女性らしいファッショナブルな私服萌えと目を楽しませてはくれます。猫のように敏捷な動きも素敵。「ジョン・ウィック2」で彼女に惚れた人なら満足できるでしょうな。


というわけで、残念な出来のC級作品。こんな映画にガッツリ出ちゃうジャン・レノのバリューも落ちたなぁ。
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