【百泡吹かせる】
『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』関連で本作を知りレンタル。
やるべきことをまあ揃えた、真っ当な娯楽映画でした。演出に若さがあり、荒っぽさもよい方に転んでいる。時に未熟さにも転ぶけれど。
ナチスの収容所で訓練のため、対戦車砲の標的にされていた捕虜たちが一計を案じ…というお話で、実話が元らしい。脱走の辺りまでは史実なのかな?その後は、なかなかの荒唐無稽でした。
が、結末は『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』よりはこちらが史実に近いのでは?サバイバルよりそちらを選ぶか、という兵士たちの決断に、ちょっぴり心泣き。これは戦争映画なのだと思い知らされる。
T-34の活躍は、映像は古くとも本物だからね!いくら精緻なCGでも、この鉄感、重さ、埃っぽさ…決して再現できぬでしょう。技術の進歩で却って価値が増す部分で、それを見抜く視力を失いたくないものです…人として。
一方で、T-34の虎の威を借りナチスを跪かせるという、弱い立場の人間ゆえの痛快さなどが面白い。他、戦車で映画館入ったら(笑)そう来たか!とか。決して、戦車というメカだけの映画じゃないですね。
女っ気のない物語という問題にも、娯楽映画として対応済み(笑)。入れる所なくてこうしたのかもだが、数で勝負と来たか!でも、お花畑のリリカルと、たかぶる大腿のエロスもブレンドし、意外と心に残るシーンに成っておりました。
『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』が娯楽映画としてしっかりしていたのも、別にソ連崩壊後に西側の影響受けてそうなったのではなく、この当時すでに、キチンと系譜があったのだ、と改めて実感しました。
<2019.12.4記>