katya0718

先に愛した人のkatya0718のレビュー・感想・評価

先に愛した人(2018年製作の映画)
3.8
恋する惑星を思い出させるような湿気とネオン。台湾映画、初めて見た。すごく好き。
怒りって二次感情なのだそう。一次感情は、悲しみ。ただ怒っているように見える人も、本当は抱え切れないほどの悲しみや痛みを感じているのだ。人間の心って、複雑だ。主人公の母を見て、そう感じた。
それとは対照的に、“彼”の恋人は、彼の死後も明るく、側から見たら能天気な程。だけど、心の底では喪失感を抱えている。彼と出会った舞台で、彼の思い出と生きていくために、彼の残像にさよならをする。勇気があって、健気で美しい。こんな風に、悲しみを昇華出来る様になりたい、怒りではなく。ここのところ、いつまでも昇華できない怒りが溢れてて、世界がしんどい。
もうひとつ、台湾って同性婚もできるし、LGBTQに対して偏見があまりないのかと思ってたけど、この映画でそれを感じることはなかった。実際どうなんだろう。あと、アウティングはダメ、ゼッタイ。
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