酢

風の向こうへの酢のレビュー・感想・評価

風の向こうへ(2018年製作の映画)
3.5
予想よりは全然面白い。
ノリとしては『フェイク』でやってたことの正当進化版という感じ。「現実/虚構」の二項対立の撹乱はより複雑に、より混迷を極めた方向へ。

正直物語の内容は理解しきれなかったけど、ジョン・ヒューストンとピーター・ボグダノヴィッチの確執、オヤ・コダールのカーセックスの美しさ、早朝のドライブインシアターに漂う寂寥感には、紛れもなく「映画」の充実感が満ちていた。

ここまで飛躍しようとしていたことが凄まじい。映像勝負な映画人生の末尾を飾るに相応しい、野心的な総決算。R.I.P.オーソン・ウェルズ。
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