仕事での生き甲斐を、家族よりも優先してきた、居場所がわからない自由な爺さん。朝鮮戦争に行ったという勲章を胸に秘めるも見た目は実に弱々しい。巨匠自らその役を演じた意味は自ずと見えてくる。
今日も勝手な行動を繰り返し、時間通りには到着しない。しかし確実に届ける様は穏やかな河の流れよう。花のようにギャングとも接し、大ボスを前にしても動じないのは年齢のせいか、経験のなせる業か。最高にクール。
不法に得た資金で、家族やコミュニティの笑顔を取り戻す流れや、ギャングのボスとの不思議なシンパシーが何とも皮肉で面白い。