やまびこ

運び屋のやまびこのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
3.9
自分で監督し、俳優もこなす。実に今作で10年ぶりに主演を務めた。上映時の2019年には89歳であり、あまりの元気さに圧倒されるばかりである。

本作は家族に対する贖罪の映画であると、考察サイトに書いてあったがうまい表現の仕方だと思う。運び屋で稼いだお金を周りに融資し身の周りが豊かになっていく一方、自分の家族とは以前と変わらず仲違いをしたまま。いつも心に家族との不和がつっかかっていたからこそ「仕事よりも家族を優先しろ」という言葉がローレンスに対して容易く発せられたのだと思う。

アールの肝が据わっているのが渋くてカッコいい。紹介された仕事場に行き、威勢のいいあんちゃんたちが待ち構えていたのなら、それはもう、勘付かれないように顔にうすら笑顔を浮かべながら逃避行の計画に着手し始めるだろう。
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