無影

運び屋の無影のレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
3.7
本作は長年ハリウッドを牽引してきたイーストウッドが主演したからこそ、感慨深く、また、感動するものになったのではないのでしょうか。
私たちは、ダーティー・ハリーや許されざる者など、若い頃の男気溢れたイーストウッドを見てきています。昨今はハリウッドの揺るぎない重鎮となり、監督として良作を送り出しながら老生を過ごしている。そんなイーストウッドの声で語られるからこそ、作中の老いへの嘆きやそれに伴う孤独への慟哭がじわりと心に滲み、深く響いてくる。そんな気がしました。
アールのやったことは決して誉められたものではありませんが、一方で、どれだけ金を手に入れても時間は買えない。後戻りはできない。そんな世の条理の切なさを、彼から滲み出る哀愁と共に感じることができました。
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