あおい

運び屋のあおいのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
3.8
87歳の老人が麻薬カルテルの組織からの大量の麻薬を運んだ、という報道記事から膨らませた話。

テンポも良く、組織の仲間とも徐々に心通わせ合うバディムービーさながらの道中。クスリと笑わせ、流石イーストウッド監督です。

アールのキャラは、本当に魅力的。頑固で、現代のネットには乗り遅れてる反面、退役軍人あがりの毒舌と、肝の据わり。ニグロとかタコス野郎、大変な差別用語もしゃあしゃあと言っちゃう。外ヅラも良く、調子良い〜!そして女好き^ ^
憎めない爺さん!

だけどアールのようなキャラではなくとも、家庭より仕事という日本人は沢山いるのでは?!
これで、家族に絶縁されちゃうのも、なんだか。

アールも90歳近くまで飄々と生きてきたのに、仕事や家がなくなったからって、最後いきなり、大事なのは仕事より家族だ!と道徳的になられても。
取ってつけたような、感動に思えて。

それよりエンディングの歌詞のような、老いを迎えさせるなという方がグッときた。

上手く言えないけど、人間として自立して年を取っていけたらいいな。老人だって1人の人間だ!って。

たった1日しか咲かないディリリーに血道を上げ、悪いことだって金の為と割り切って、しゃあしゃあと生きてるアールでいて欲しかったかな。
あおい

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