KATO

運び屋のKATOのネタバレレビュー・内容・結末

運び屋(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

面白かったー!
老人の孤独というか(まあ主人公は歳を老いたから孤独なわけではないが)、どうしようもない人だということが描かれていて、なんとも言えない気持ちになった。

若者たちに褒められて、にこにこしながら「次もちゃんと仕事する」という主人公の表情が観ていると虚しくなる。ダメなことだってわかっているはずなのに、思いやりがないわけでもないのに、どうしてこの人はこんなにも救いようがないのか。
家族を大切にしようということはもちろんだが、本質はそこじゃなさそう。家族は大切にできなかったけど、とてもやさしい人だとも思う。そこがダメなんだろうけど。
とにかく、意識はすべて外に向いていて、内側を見ようとしない。すべてを失って、仕事を通して少しずつ自分の行動を疑問に思ってくれたのは良かった。

とにかく、痛々しすぎた。歩き方や年齢がそう見せているのか、仕事を得て嬉しそうなのに、その表情は寂しそうで、早く救われてほしいと祈らずにはいられなかった。
自分の罪を認め、大好きだった花を育てる姿が、ようやく彼自身が自分を認められるようになったのだと感じてほっとした。
KATO

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