Aya

運び屋のAyaのネタバレレビュー・内容・結末

運び屋(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

この物語は、麻薬を運ぶドライバーのタタが主人公で、ひたすら麻薬を運び続けるおじいちゃんの本当の話です。

彼は普通に愛想が良くて人のいい、どんな時でも落ち着いていてマイペースなおじいちゃんです。昔花屋をやっていて彼は人気者でした。家族なんか放っといて仕事ばっかりしてるんですね。でもインターネットで買う花屋が人気出てきて売れなくなって家を差し押さえられます。それから仕事なくなって、孫の結婚式行った時に出会った男に事故起こしたことないドライバーだって言ったら、いい仕事あるからって言われて紹介されたのが運び屋だったんですね。でも麻薬を運んでるなんて知らずに彼は中身を見ずにひたすら運び続けます。ある時中身が気になって見ると大量の麻薬が入っていてやばい!ってなるんですけど、なぜか運び屋を続けるんです。家族もいないし友達もいないしで寂しかったのかもしれないですね。あとはお金の力。一回運んだだけでめちゃくちゃお金もらえるので。

コーヒー屋で自分を追っている警察に世間話し始めたシーンとか、ひたすら黒いトラックを警察が停めるシーンは怖すぎました。ここでバレるのか、と思いました。ただ、愛想がとても良くて色んな人に話しかけるのでまさかこんな人が運び屋をやっているとは思わなかったんだろうなぁって思います。

そんなある時妻が病気になるんです。麻薬運ばなきゃいけないしって思っていたんだけど、結局会いにいくんですね。妻は、仕事人間で外の世界で人気になれればいいと思っている夫を腹立たしく思っていたけど結局はとっても愛していたということが分かります。そばにいるためにお金は必要ないのよ。という場面はジーンとしました。昨日より今日の方が愛してる?と聞かれた彼は、明日はもっと愛しているよ。と返します。返し方がおしゃれ。

お葬式も終わって1週間以上経ってやっと麻薬を運びの続きをやり出したんですけど、そこで警察が動き出してヘリとか出動して捕まります。
その時コーヒー屋で世間話をした警察官に、家族との関係がなによりも大切だよ。と伝えるんですね。彼は家族のことを放置していたのをかなり後悔しているんだなぁと思いました。
裁判では自ら自分は有罪だと言います。
最後に彼は、お金で時間は買えなかった。と言うんですね。
彼が欲しかったのはお金ではなく家族とやり直す時間だったのかもしれません。

この物語は麻薬を運び続けたおじいちゃんの話なんですけど、伝えたかったのは、家族を大切にしろ。時間は返ってこないんだから。お金より大切なものはあるよって。ことだと思いました。

この映画のいいところは暗すぎないところです。車の中の音楽はいつも陽気だし、ポップな音楽でDAY8とか出てくるので笑いそうになります。
あとはとにかくクリントイーストウッドの演技が素晴らしいです。あのおじいちゃんの感じ、話し方、歩き方、ノー天気な感じ。圧巻です。

あんなに広大な土地をドライブしたいなぁって思いました。
Aya

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