イラク北部でISISによる虐殺と性奴隷から逃れ、人々の希望となったヤジディ教徒のナディア(23歳)を追ったドキュメンタリー。
どんな風にレイプされたのか？どう思ったのか？家族を殺されたが彼等に言いたいことは？など…
同じ質問を繰り返すメディアに吐き気がした。
他に問いかける事があるだろ！
訴えても訴えても世界は動かない。
それでも、ナディアはメディアの前、国際会議の舞台に立つ。
彼女が語るその事実だけで十分重く意味のある事なのだが、彼女は知っている。
期待と失望を繰り返してきたことを。
彼女と彼女を支える仲間が幾度も幾度もスピーチ原稿を書き直す。
震える手で、震える声で繰り返す。
安全で平和な日本の呑気な映画館で座っている無力な私は、泣いたって何の役にもたたないのに、泣くしか出来ない、アホみたいに泣き続けた。
映画としては満点ではないのかもしれない。
だけど、こんな映画に満点つけずにどうすんの？て想いで満点にする。
『貴方がた次第です』
静かに、だけど力強く語るナディア。
彼女達を救えるのかどうかは、私たち一人一人にかかっているのだと、胸に迫った。
