なつ

ボストン市庁舎のなつのレビュー・感想・評価

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)
4.2
ワイズマン監督は言う。
“ボストン市庁舎を監督したのは、人々がともに幸せに暮らしてゆくために、なぜ行政が必要なのかを、映画を通して伝えるためでした。”と。

本作が撮られたときは、ウォルシュ市長(現在はバイデン政権下で、労働長官)でした。
ボストンは、人口約70万人、半数が白人、残りは黒人、アジア系など非白人のマイノリティの市民で構成される。
様々な人種のグループをまとめ上げ、幅広い連立体制を初めて整えた方らしい。
それは本作を通して、凄く伝わってきた。
色んな人種のグループが市政に参加している。
まさに、“民主主義”、トランプの対極。
この世界に、こんな場所があるのかと…
まさに、ユートピア。羨ましい。
真摯でぶれない市長のシンプルな言葉に感動を覚え、泣けた。

凄く共感したのは…
冒頭、市長が言う。
「市が何をやっているかを市民に伝えられていない」
役所て、揺り籠から墓場まで…様々な事が持ち込まれるんだけど、
市民に伝わらないんだよねぇ〜と、痛感した。

4時間半、面白くてあっという間。
後、倍の時間でも観ていられる。
世界のドキュメンタリーの巨匠、91歳のワイズマン監督、本作は熱かったです。
なつ

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