いはん

薬の神じゃない!のいはんのレビュー・感想・評価

薬の神じゃない!(2018年製作の映画)
4.3
とりあえず、こういう事件があることで社会制度が変わりうるならばそれは“不幸中の幸い”と言えると思う。そして、映画というのは単るエンタメの手段ではないことを再確認。

ダラスバイヤーズクラブと似ているようで違う。なにが違うのか、それは主人公の出発点である。自分の命を救いたいか、金を稼ぎたいか。でも金を稼ぎたいという出発点だったからこそ、この映画はこんなにも観る人の心に突き刺さる。金銭に目が眩むことは簡単だが、一度味わった蜜の味を捨ててまで人を助けることに尽力することは簡単ではないのだ。

病院で苦しむリュ、髪を切って家族に会うと決めた後に事故に遭ってしまったボン、集会が見つかり警察に懇願するおばあちゃん。どの人物も人間味があり、だからこそ涙を流さずには、共感せずにはいられない。どうか、多くの人がこの映画に出会ってくれますように。
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