けーはち

クワイエット・プレイス 破られた沈黙のけーはちのレビュー・感想・評価

3.7
音を立てたら襲来するエイリアンから生きのびろ!──ポストアポカリプス+パニックスリラー2作目。前作で旦那を失いながらエミリー・ブラントが第三子の赤ん坊を出産。話を牽引するのは母子を守る姉弟。パニックものの常として「人怖」要素、人間の善悪対決もありつつ、その挟間で無力感に苛まれた隣人、ポストゾンビものの秀作「28日後…」のキリアン・マーフィーが助っ人として参戦。ハリウッド映画なので子供はどうせ無事に違いないとタカを括って観ていたら、若干は痛々しい展開もあるのだが、苦悩や葛藤、停滞はそこそこに前作に続きランタイム90分台でササッと片付けており、娯楽映画としての本懐を貫く。無音と重々しい音響のコントラスト、地方のうら寂しい線路や無人の車が多数捨て置かれた橋を背景にした「滅亡後」の空虚感が素晴らしい。