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ハッピー・デス・デイ 2UのJIZEのレビュー・感想・評価

ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)
3.9
奇怪な仮面をかぶった殺人鬼に狙われる死の無限ループからツリーが誕生日の9月18日(月曜日)を抜け出した2年後を舞台に今度はルームメイトがタイムループに巻き込まれたコトで現象の解明に奮闘する様を描いたシリーズ続編第2弾のタイムループホラー映画‼︎まず今年の上半期ベスト2位にも選んだ直球ホラーで描き込まれた前作の『ハッピー・デス・デイ(2019年)』と比較し引き続く今回の続編は"寄り道感"を良くも悪くも匂わせる所感でした。また誰が発言したか詳細は忘れたんですが、その人が云う「毎日ヒトは死ぬ。全員は救えない。」という台詞もツリー自身が前回で時間を遡るループ体験を経験したからこそ時間は不可逆で運命には抗えない胸に刺さるテーマ性が盛り込まれていたように思う。いわゆる本作はSF映画の金字塔となる『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(1989年)』ようなバタフライ効果の平行時空を縦軸に仮想性と延長線上にあたる内容が描かれている。つまり名目は続編でありつつ、ほぼ前作の継ぎ足し感がある続編要素がやや薄い作品に思う。それこそ導入シーンのルームメイトのライアンが緑色の車で目覚め一連のループが悪夢的に開始されるくだりは前作で使い尽くされたアプローチだがパターン差異やイレギュラーの事態が発生してやはり面白い。また科学の愉快な研究仲間やループを閉じる作戦を阻止しようとする理事長たちなど主要キャラのインフレも世界観の拡張に影響を及ぼした一因なのかと思う。本作は一見、ループ対象が移ろうなど前作の延長線上を描いているようで主人公ツリー自身のルーツ巡りのような回帰要素が盛り込まれている。例に挙げれる箇所が親子の親密な愛情とカーターに対する想いが前作以上にデフォルメされてる点である。個人的に制作費が倍以上かけられたり内容が濃くなっている点からパート2ありきで1を製作したのではないかと感じる続編でした。

→総評(殴られ、刺され、爆破され、現象の根源へ)。
総じて前作ふぁんほど楽しめるコメディとSF要素が底上げされた続編か。前作がホラー直球だとすれば続編は寄り道感のある完璧な解決編に思う。おれは時系列ねたや前作のサイド性濃厚でそれなりにゲラゲラ笑いながら楽しめた。全力で笑かしに来る箇所もあるためコメディホラー感が前作よりだいぶ増した印象である。引き続き主演を演じたジェシカ・ロースの顔芸もとい目の下にくぼみが出るくらいの必死の形相は続編でも健在でした。下着姿で飛行機から落下する描写やみずから自殺して現象の解明に奔走する様は観ててだいぶ面白かった。彼女がループして寝起きのパターンも見どころです。あまり言及すればオチの部分に直結するので多言は控えるが、続編の主人公が予告編ではライアンというミスリード感やなぜツリーがタイムループしなければならなくなったのか、今回しっかりとわかるコトになる。正直、前作で主人公がそれに気付く余地も続編を見返した後だと十二分にあった。ぶっちゃけ全部をまとめてあの数式的な理論で突き通すのは無理がある点や、辻褄が合わないご都合性が否めない構造ではある。今回でのある影響が前作ではそれが影響を受けてない点など。監督クリストファー・B・ランドン曰く3作目の構想がすでにあるとかで、続編の興行収入しだいでは製作に踏み切るそうです。エンドロールの後もその第三弾にそのまま直結するような貴重なシーンがあるので座席は立たずそのままに。これぐらいの適度に発狂するような軽量のホラー映画はやはりいいですね。前回はツリーが計11回死亡したので今回は何回死ぬかも見どころであろう。すべては次回の全回収する総括編に期待したい。というよう死んで生き返る題材の目新しさは薄らいだが、死ねば同じ日を生き続けるタイムループ現象の理由がついに解明される重大な続編をぜひお勧めです。
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