柏エシディシ

ハッピー・デス・デイ 2Uの柏エシディシのネタバレレビュー・内容・結末

ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

期待のハードルをギリギリ越えてこなかったかな?個人的には。
もちろん、肩の力を抜いて楽しむジャンル映画としての面白さは担保されているし、「ビッチ系ホラークイーン」ツリーの魅力に前作からハマった身としては、それだけで、充分とも言える。

しかし、前作のタイムループから1段階ステップアップしてマルチユニバース的な脚本に持っていっているのは意欲的ではあるのだけれど、言うほど効果的には思えず、入り組んでいるようで実は構成自体はシンプルで、スリルを感じる事が出来ず。

前作の不満点である、ツリー以外のキャラクターがステレオタイプ問題に関しても、多次元の人物にする事によってロールタイプを反転する面白さはある事はある。
それでもやはり、キャラクター描写の薄さは変わらずで、割と登場時間の尺を取られるライアンをはじめ、新メンバーの心情の変化やキャラクターアークに説得力が欠ける様に思える。

我らが主人公ツリーに関しても、前作である意味「成長しきって」しまっているため、そのダイナミズムも続編では弱く、この際、ライアンを語り部として、再構成した方が面白かったのでは?と安直にも考えてしまわないでもない。

これを言ってしまうと、元も子もないのだけれど、結局のところ「リセット」される事による、「何とかなる」という設定自体が、ストーリーや人物の軽さに繋がってしまう諸刃の刃で、ギリギリそのサスペンスを保っていた前作から続編では裏目に出てしまっているのかな、と。
(この際言い訳がましく聞こえてくる「死ぬ時のダメージは引き継がれる」ってのも説得力が無くなっているし)
ソレを言っちゃ、オシマイよ!w
柏エシディシ

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