荒野の狼

蜜蜂と遠雷の荒野の狼のレビュー・感想・評価

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
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「天才的ピアニスト達」って、特に秀でた演技ができるわけでもない役者に、どうして天才が演じられようか。百歩譲って、作り話という前提で見続けられるかといえば、20分と持たない。ジャンルを超えた天才というのなら、お門違いである。この題材はあなた達の手の届かぬ所にある。センスの悪いコスチュームひとつとっても、このダサさ(野暮くささ)で一体どんな音色を聴かせるというのだろう。例によって女性陣の不貞腐れ顔、年齢を疑うような幼稚な喋り方。品のない(いわゆる下品な)ベテラン俳優達、どれひとつ取ってもクラシック音楽には、生涯無縁じゃないかと思われるほどの顔ぶれである。グランドピアノというものは、ただ一台ステージの真ん中に置いてあるだけで、こちらの居住まいを正させるほどの存在感があるものである。中華どんぶりのラーメンがカップ麺とは違うように、ピアノはキーボードなんかではない。劇中の見苦しい英語台詞もしかり、わざわざ日本人の恥をさらすために、映画というものがあるのではない。
しかし何でこのようなフォーマルのコンテスト会場に、選挙ポスターみたいなもんなんかがあるんだろうか?
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