MasterYu

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密のMasterYuのレビュー・感想・評価

4.0
これまたしっかりミステリしていて、131分十分に楽しめました。

まずはキャスティングがいい。
南部訛りの名探偵を演じるダニエル・クレイグの雰囲気が最高。
これでシリーズ化してもらいたいなぁ。
クリス・エヴァンスはやはりキャップの印象が残りますが、それを逆手に取るように汚い言葉を吐かせるところがまた面白い。
クリストファー・プラマーの存在感、他みんないい味を出していました。
個人的には、「ブレードランナー2049(2017)」で好きになったアナ・デ・アルマスを堪能できたのは嬉しかった。彼女はダニエル・クレイグ最後のボンド映画にも出演するようなので嬉しい限り。
またヨーダマニアである自分にとっては、フランク・オズの出演にニヤリとさせられました。

構成としては、多くいる登場人物を序盤の聴き込みでしっかりと認識させることで、その後の展開をスムーズにしているのは上手い。
ただそこをスローに感じてしまうと退屈かも?

小説と違い映像や音で伏線を張り、それをしっかりと回収するクライマックスは見事。
正直「犯人」は早い段階で分かるとは思いますけど、アナ・デ・アルマスが演じるマルタがどんな着地点を見出すのかに重きを置いた魅せ方だったと思うので、そこは大した問題ではないかと。

今時の風潮に沿って、政治的見解をそれぞれのキャラに持たせたりと、ライアン・ジョンソン監督はその辺りも抜かりなく。

全体的な雰囲気は暗くなく、会話も面白い。とはいえ、ある程度今のアメリカ社会の風潮を理解していないと、シニカルなユーモアは伝わらないと思うので、アメリカ人にはより楽しめるセンスなんでしょうね。
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