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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密のトレバーのレビュー・感想・評価

4.5
さて、皆さんはこのサイトにいるくらいですから、
色んなジャンルの映画をご覧になられているかと思います。

でも、当然好みのジャンルとか苦手なジャンルは
あると思うんですよ。
ホラー苦手〜、とか恋愛モノは勘弁とか。

で、ボクは割と何でも観る方だとは思うんですけど
苦手というか、あまり興味を持てないジャンルがある事に気付きました。

ミステリー、推理モノです。

えー!とか言わないで下さいね、あくまで趣向の問題ですからw

まずね。ボクは、犯人は誰だ!みたいな展開に
全然興味が持てない方なのですw

あとボクは映画の結末やオチは割とどうでもよいほうでして。
ちゃんと終わってくれないとスッキリしないという方は
多いと思うんですがボクはむしろ観客の想像に
委ねるラストとかも好きなくらいで。
だから、最近の特にネット界隈でのネタバレするやつは殺す!
的な空気はなんかイヤなんですよねー。
結末やオチ、ストーリーを追うためだけに映画観に行くの?
その割には今公開されている映画って洋邦問わず
原作あるの多いんですけどねw
原作あるのにネタバレ殺すとか言ってるやついて
バカだなー、そこまで気にするならばネット見なきゃいいじゃん
って思っちゃダメなんでしょうかねー?w

ということでボクはストーリーもガッツリ無くてもいいほうで。
物語を楽しむなら映画じゃ無くてもいいかなーって思うタイプです。
テレビドラマや小説、漫画のほうでも全然いい。

登場人物、舞台、美術を監督とカメラマンのセンスで撮影して
編集して音楽をつける。映画は総合芸術。
その約2時間の世界を楽しめれば、必ずしも
ストーリーやオチは要らないなあって思っています。

だから犯人を突き止め、一件落着に向かう、
ストーリーを追い犯人を推理することがメインになりがちな
ミステリーものにはあまり興味が持てないほうだったんです。

てなわけで、本作は完全にノーマークでした。
増してや監督・脚本はライアン・ジョンソン!
出世作「ルーパー」は好きだったんです。
フレッシュな画と展開、あーSFやタイムループものが
好きなんだなあって伝わる感じも好感が持てて。

で、期待したSWエピソード8!
確かにフレッシュさに満ちていました。
一瞬、アリかなって思いました。
でも、ジワジワと無し要素が自分の中に押し寄せて、、、。
SW、次のシリーズは任されるらしいので絶望的だな、
と思っていたくらいですから、
まるで観るつもりはありませんでした。

アガサ・クリスティへのリスペクトで作った
と言われてもよく知らんし!スルーかな、、、
と思ってたら評判がえらく良い!
得意ではないジャンルだけど、食わず嫌いはイヤなので
観てみるか!とトライしました。結果、、、

エラくおもろいやないかい!!

ただ、ボクの面白がり方は多分ミステリーものを
楽しむ姿勢ではなかったですし、
すでにネットで真犯人も知ってしまっていたので
ミステリーの醍醐味は味わってないのかもしれません。
でも、それは全く問題無く本作は楽しめました!

まず、豪華役者陣のアンサンブル!
大勢のキャストが有機的に機能していて、
シンプルな推理劇を奥深いモノにしていました。

ボクはミステリー弱者ですし、やはりネタバレは
厳禁な案件だと思いますからいつものように
深掘りしたレビューは書きませんけど、
多分本作はミステリーというより作劇的に
とても巧い作品だなと思いました。

映画的な見所も各所見事でしたねー。
映像や演出で、状況や力関係を伝えてくれるし、
屋敷の中のトリックの見せ方も上手い!

成功を収めたミステリー作家の家族達の、
遺産を巡る醜い争いはきっとミステリーものには
付き物だと思いますが、本作の場合一捻りされていて。
アメリカのバカな田舎成金(しかも自分らは何もしていない)
どもの、はじめは物分かり良さげなふり、
裏を返せばエグ過ぎる、違法移民に対する仕打ちとか
今のアメリカ社会の問題剥き出しだったりで、
それが気持ち良くひっくり返されるクライマックスは胸がすくようです。

ヒロインの、ちょっと狙い過ぎ?に一瞬思える病
(嘘をつくと嘔吐してしまうw)が、
彼女の正直さと真っ直ぐさ、遺産を狙う家族の
嘘で塗り固められた生き方との対比になる巧さ!

ダニエルクレイグの、すっとぼけつつ優雅な名探偵ぶりは、
007卒業後の次の当たり役を予感させるものでしたし
本作の大ヒットから早くも続編決定、ライアンも
脚本準備に入ったそうなのでこれは楽しみ過ぎます!

SWは降りてもいいんだよ、ライアン、、、www
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