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僕たちは希望という名の列車に乗ったのandardのレビュー・感想・評価

3.4
実話をベースに東ドイツの当時の状況を再現している勉強になる映画。

全く知らない、ベルリンの壁ができる前の東ドイツの状況が描かれていて、色々と学びがある。

例えば、壁ができる前は、簡単なチェックだけで西側に行くことができたということ。
戦争が終わってみんなリセットされてるようで、みんな過去を引きずっていて、それぞれがとりあえずの現状を受け入れてる感じとか。
また特には、たかだか高校生のちょっとしたいたずらが大問題になり大臣まで登場しちゃうくらいに、政府はソ連的な社会主義が崩れることに怯えていた、ということ。
それが行き着く先が、壁の建設だったんだろうけど、ずっとビクビクしていたんじゃないだろか。

「今を生きる」、をちょっと思い出させるけどそこまでセンチメンタルじゃない。本当の話だから最後は意外とあっさり。それはそれで良い。
原作者は実際にあのクラスの学生の一人らしいので、誇張も過剰じゃないのかな。
脱出した学生たちがその後に壁の崩壊をどう見ていてのかが気になった。
出来れば後日談として、そこまで追って欲しかったけど、まあ事情がある場合もあるだろう。

原題は沈黙の教室的な今らしいけど、邦題は結構なアレンジ、というか意味を付けすぎではないかと。そもそも、実際に列車がたどり着くのは希望だと言いきれるのか?
個人的な、顔の見えない誰かのセンスでつけられた邦題が好きになれない。
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