僕たちは希望という名の列車に乗ったの作品情報・感想・評価

上映館(8館)

「僕たちは希望という名の列車に乗った」に投稿された感想・評価

東西の壁が出来る5年前、ハンガリー動乱時の東ドイツの高校で起こった国を敵に回してしまったある事件を描いた実話。

体制側も生徒側もみな演技は良かった。
当たり前だけど、やっぱりドイツの映画はドイツ語じゃないとね。

政治的だけで無く、友情もの、家族もの、としても良く出来ていたと思います。面白かった。
km

kmの感想・評価

4.0
この時代のドイツや周辺国のことは大まかにしか知らなかったのでもっと勉強してからまた見たいと思った
現代にいる自分が"ほんの小さなこと"と思ってしまう1つの行為がこの時代のドイツでは"ほんの"で済む話じゃないことに恐怖すら覚えた 知らずに済んだだろう事実を知ることになった子供たちを見たときは本当に心が苦しくなった
かっこ

かっこの感想・評価

4.0
東西冷戦の最中、ふとした正義感からの行動のために
国家に目をつけられてしまった学生たちの苦悩と決断を描く。
学生たちの心情が伝わってくると、狂いそうになるほど心が揺さぶられた。

ソ連の反革命分子に対する冷徹さは色々な作品で描かれたとおり。
学生たちへの追及がどんどんエスカレートする様にはやっぱり恐怖と憤りを感じる。
でも、この映画の肝はソ連こわ〜〜〜じゃなくて、若くて未だ純粋な青年たちが何を信じるか、貫くのか迫られて揺れ動く様だと思う。
大人になってしまった自分は、序盤から「信念なんていいから誤魔化せよ!」とそわそわしてしたけど、
段々と学生たちの若さ、純粋な正義感、友情、反骨心、ときには嫉妬、等々が伝わってきて、
要所要所で判断を迫られる場面には自分も学生たちと一緒に心がグチャグチャになって震えてしまった。頭おかしなるで。
そうなってくると、若い学生たちを脅して、一生の傷になる嘘、裏切りを迫る国家に対する怖さ、憤りも身に沁みてくる。
対峙する学生たちの正義感、反骨心、心の強さ、そしてなにより友情の深さには感動するばかり。
そして、なんだかんだありながらも最期は子供たちの決断を黙って見守る親の決断。これが1番泣けた。
自由の重さや友情、勇気、家族愛ががっつり染みてきて、単なる歴史ものでは全くなかったな。

何度も何度もキーパーソンとして利用され翻弄されるエリックの心情を思うとこっちの心もぐちゃぐちゃ。
若さゆえとはいいつつ、みんなの人生を大きく転換させたクルトの責任は重いよね、これ。
eikichi

eikichiの感想・評価

4.7
バックの音楽の使い方が凄く上手い。予備知識がないとついて行けなくなりそうなところも、それで一気に引っ張ってくれる。

鑑賞前、タイトルかっこいいけど、ちょっとくさいかなーと思ったけど、バッチリはまってる。

友情、恋愛、進路、家族。そして、自分のルーツ。それらを超えていこうとする若者たちの物語。時代も国籍、人種も違うけど、訴えてくる普遍的な何かがあった。クライマックスの父と子の固い、とても固い握手と、母から子への多くを語らない愛情にはぐっとくる。

家族と自分との関わり方、自分が抱えているもの、超えなければ行けないのや向き合うべき問題を直視する良いきっかけになった。
あつし

あつしの感想・評価

3.7
人権なんて存在しない。
…色々考える。

彼らにとって卒業資格の価値がどれだけのものか、西への行き来がどれほど困難なことなのか等々、もっと時代背景を分かってればな…。

エドガーやエリックのその後が気になる。

ドイツの歴史もまた知りたいことの一つ。
『守り抜く』をテーマに描かれる若者たちによる捲土重来の物語。

ドイツ語による原題が〝Das schweigende Klassenzimmer〟となっており、それを直訳すると〝沈黙する教室〟という意味になるそうで、同題の原作本も販売されている。
邦題を初めて見た時はちょっとクサいかな・・・と思っていたが、いざ本編を鑑賞してみると、これが物の見事に作品の核心を突いていると共に、その価値を何倍にも昇華させた素晴らしいタイトルだという事を総身で感じる結果となった。

少年少女達によるたった二分間の黙祷が、瞬く間に国を揺るがす事態へ発展する。
荒唐無稽にも思えるが、これはかつての東ドイツで実際に起きた出来事だという。
1950年代の東ドイツ政治に翻弄される人々の話なので、冒頭は数々の情報に脳ミソが追いつかず取っ付き難さを感じてはいたが、素直に登場人物たちの人間模様を追って行くうちに見る見る作品に引き込まれて行った。

どこまでも利他的に行動しようとする少年少女達と頑として利己的な姿勢を崩さない大人達の対立を、情緒を醸しながらも感傷的にはならず、熱く魅せながらも綺麗事は用いず、アップテンポではあるが駆け足にはならずと、どこを取っても絶妙な匙加減。

現代を生きる人間達にも響く部分は確実にある話だと思った。

俺達は他人にベクトルを向けているんだよ!
そうすればいつか他人が俺達にベクトルを向けてくれるんだよ!
地位とか名誉にすがって己の保身ばかり考えているあんたらとは違うんだ!

親から「これは命令だ!」なんて言われたくないよな。
貴方達は誰一人として間違った事はしていないよ。
いつかきっと報われるよ、と言うか報われてくれよ!貴方達が報われない世の中はおかしいよ!

人間の生き方ってその時代その時代で変化していくもんだけど、それは必要な部分でもあるから、全ては否定できないけれど、
でもやっぱり、人としてあるべき姿勢はどの時代であっても変わらないんだよ、変ってはいけないんだよ。

大人って何なんだろう…と。
歳を重ねればなれる様な、そんな簡単なもんじゃないよね。
だって作中に出て来る17、8歳の方が全然大人だもの。
オトナ、オトナ、オトナ・・・。
ぬわぁぁぁ~~~難しい!

溢れ出る怒りは全て夜の湖に叫び流しちまえば良いのさ。
shurin

shurinの感想・評価

4.0
ベルリンの壁崩壊の5年前
東ドイツに住む18才の少年少女は自分たちが聞かされているニュースと西で流れるニュースのあまりの違いに衝撃を受ける。彼らは現体制への小さな反抗として、授業の開始2分に犠牲者への黙祷を捧げるのだが――

この内容でこういう言い方しちゃ悪い気もするんだけど、面白くて画面に釘付け、あっという間の二時間だった。西ドイツではしゃぐテオとクルトを追いかけるカメラの疾走感とか、あの人が西ドイツ亡命をはかるシーンにおける家族の撮り方とか、印象的だった

進んだ西ドイツと、遅れた東ドイツ、と括っていたが個人のライフストーリーに目を向けるとこうも見方が変わるものか、歴史の見方が幼稚で自分に辟易する

大事な家族や進路を眼前にぶら下げて思想の統制をはかるなどあまりに卑劣すぎるし、多数派を占める思想を指示していればどこまでも昇進できる社会などあっていいはずがない
卑劣というか許されない…マフィアの手口じゃん

最後の方は「生きる」のオマージュかなって感じだったけど涙腺崩壊してエンドロールが流れるころには涙が頬でカピカピに乾いてました
いや〜めちゃくちゃ良かったです!

自由のため蜂起した者への悼みを抑えらなくなった若者達。反逆などではなく純粋な意志表明に対し統制と言う名の心の侵害を繰り返す国家。社会主義の強権に晒されつつも仲間と共に守るべきものを見据え選択に迫られる彼らの闘いにただ圧倒される。凄い映画でした。

‪ソ連統治下の東ドイツ、ベルリンの壁建設の5年前って事で東西の行き来もあるとは言え西側の情報への厳しい検閲、社会主義を揺るがす思想への執拗な排除、そしてナチスが残した傷痕。そんな鬱積した時代だからこそ強く結び付く家族や友との絆に揺さぶられた。‬

‪尊厳を踏みにじるような卑劣な首謀者炙り出しにより生徒間に生まれる猜疑心、目まぐるしく状況が変化するスリリングな展開は異常な没入感。そして若者たちを演じる新人俳優とは思えない彼らの見事な演技力にも驚かされるばかりで体制に抗う姿はとても輝いていた。完璧!
emedia

emediaの感想・評価

4.3
また「あとで」と別れてから何年の月日が流れたのだろう?
悪ふざけだとは赦されない政情において
真実を知りたいと思うことが反革命と揶揄される
つぎからつぎに大人が追いかけてくる
18歳に突きつけられるのは密告という裏切り
各々の家族には隠された人生があり
知ったが故に嘆き苦しむこともある

別れの固い握手には「必ず帰ってこい」と父親の台詞が必要であり
また息子に「英雄」にならないでほしいと告げる父親もいる

一枚の写真によって傷つけられる多数の人々
傷つける側は国家を背負った役人である


テオの父親(ロナルト・ツェアフェルト)は『東ベルリンから来た女』での同僚医師ですね
換気

換気の感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

西に逃げることを決意した若者たちが、ベルリン行きの列車に乗る日の朝の、家族や仲間とのさりげない別れが、胸に響いた。永遠になるかもしれない別れなのに、幼い兄弟に悟られないようにという事情があったり、監督の演出だったり、
色々あるにせよ、
これでいいのか?って思ってしまう、毎朝のいってきますの挨拶くらいにさりげなかった。
まさにクルトは「夕飯までに帰るんだぞ」という、警察の前でついた父の優しい嘘に「またあとで」って返して西に逃亡した。しびれるな

テオが、愛した兄弟や両親との未来を半ば捨ててでも、自分の信条、思想を貫こうとしたところに、当時の若者のつよさ、かっこよさが現れてるような気がする。
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