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僕たちは希望という名の列車に乗ったのwhitelilyのレビュー・感想・評価

4.3
冷戦下の東ドイツ、社会主義政治における圧力のもとで厳しい選択をせまられた若者たちの実話。

きっかけは授業中に行った2分間の黙祷から。

ときに政治は人々のなかに正義を植え付け、ときに社会は意に沿わない者を排除する。そして残酷な歴史は人々を狂わせる。

冷戦下の社会主義も恐怖政治と何ら変わりない。人々の思想を奪い、社会的地位に囚われ身動きが取れない大人たちの社会で、テオやクルトら進学コースの若者たちが色を帯びているように感じられる。

圧力からの恐怖、嫉妬、裏切りに屈することなく自らの手で未来を切り開いた若者たち。例えどんな結末になろうとも彼らはきっと、この時の決断を後悔することはないと思う。その先の未来がどうか光あるものであって欲しいと願わずにはいられない。
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