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象は静かに座っているのTocoのネタバレレビュー・内容・結末

象は静かに座っている(2018年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

一言で言えば「中国はとても病んでる」
ジャ・ジャンクーの描く中国地方の閉塞感が好きなのだが、この映画はもっと息苦しい4時間だ。カメラは人物にフォーカスされ、大気汚染とぼかし処理された背景が、いっそう画面の見通しを悪くしている。いじめっ子、飛び降りたユーの友達、おばあちゃん、食堂で焼けた男、カイ、老人の犬、副主任と妻も含めると、とにかく1日で呆気なく人が死ぬ。被害者が被害者を生み、お前のせいだと責任を転化する。誰かが何かに苛立っていて、人の優しさとか、思いやりとか、そんなシーンは皆無である。これほどまでに魂の荒廃を描いた作品があるだろうか?人の尊厳を容赦なく攻撃し、心は鋭く傷つけられる。座っている象に会いにいくことは一体何を意味するのか?
「何ができるか考える」は簡潔かつ本質的セリフ
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