かぴばる

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のかぴばるのレビュー・感想・評価

4.5
 「ジュラシック・パーク」から数えて6作品目、そして新シリーズ「ジュラシック・ワールド」から数えて3作品目にして堂々の完結作。

 これがやりたかったんだね、これが"ワールド"の意味なんだねというパンチの強すぎる出だしでスタート。「世界が恐竜との共存を始めて4年が経過した──」みたいな冒頭が、ワクワクSF超大作でなくてなんとする。もちろん、バカでかい爬虫類がなんの保護もなく北アメリカに解き放たれて勝手に繁殖できるのか?みたいなリアリティの是非はあるだろうけどさ、この世界では繁殖するんだよ!!!!!

 人類は何人恐竜に食われても学習しない。いつだって恐竜を制御できると思い上がり、パクパク食われる。恐竜がごくごく自然に生活に溶け込んだ、中盤マルタ島のシーンは圧巻である。ロケ地の良さもさることながら、スピード感といい良い意味での"恐竜がいる違和感"が効いている。

 設定としては、初代ジュラシック・パークが1993年に開業、そしてワールドが2015年に開業、といった現実世界の映画公開時期とリンクした作中テーマパークの開業設定も良い。もしかしたら、自分が知らないだけでアメリカには本当にジュラシックパークがあったのではないかというパラレルワールドのような倒錯が感じられる。

 前シリーズ主人公がジジイになって登場し、まだまだ現役だぜ!と活躍、そして老いらくの恋!みたいな展開もみんな大好きだし、サービス精神も非常に旺盛。それでいて、命を弄ぶことへの解答もきちんと用意して決着をつけている。シリーズ完結作に相応しい傑作であった。