かぴばる

ウエスト・サイド・ストーリーのかぴばるのレビュー・感想・評価

4.3
 いわゆる「61年版」は未鑑賞。「ロミジュリ」のオマージュで作られた舞台が原作、程度の知識で鑑賞。

 恐竜も鮫も闘う考古学者も撮れる天才スピルバーグがミュージカルを撮るとどうなるのか。ミュージカルには疎いのだが、まずはカメラワークが凄い。ダンスのキレはもちろん見事だが、そこはいわば役者の腕。最初のシーン、スラム街解体の工事現場のカメラワークから、これは踊りがすごいだけのミュージカルじゃないぞ、としっかり観客に思わせてくる。

 2時間半と長尺の映画だが、それを感じさせないテンポの良さも見事。そのぶん若干唐突に感じさせる部分もあったが、飽きさせずみせてくれる。ただ個人的には、ラストシーンのフォローがもう少しだけ欲しかった。原作もあんな感じなのかね。

 音楽は、宣伝でずっと流れていた「Tonight」も良かったが、いちばんハマったのは大抜擢ヒロイン、レイチェル・ゼグラーの歌う「I feel pretty」。主人公と恋に落ちて自己肯定感が爆上がりし「ドレスも似合って笑顔もチャーミングなこのかわいい女の子はだれ!?わたしね!」と踊り出してしまうさまはとてとよい。こちらまで幸せになる。もっとやってください。