このレビューはネタバレを含みます
傑作と呼ばれた前作にも劣らない作品。
今観るとなんてことないものの、当時としては革命的だった前作。
そんな前作よりも音楽やダンスもアップデートされた今作。
且つ細かな違いはあるものの、大きな改変も行われておらず前作へのリスペクトを感じさせる。
リメイクとしては完璧ではないだろうか。
個人的に最も気になったのはオープニングの違いである。
前作はNYを俯瞰する映像から始まるオープニングが印象的で、最も美しい俯瞰映像だったかもしれない。
一方、今回はなんと瓦礫のズームからスタート。
映画全体で前作と今作で大きな違いが無いのにも関わらず、オープニングは対照的なのである。
実は今作で描かれている街の再開発により追い出される市民の様子は、舞台となった50年代NYに実際にいたそうだ。
しかし、前作ではあまり描かれることは無かった。
つまり今作はより忠実に時代背景を描いていることを象徴しているシーンではないだろうか。
スピルバーグは、前作で描かれた分断が現在ではどこまで解消されたのか、を目的に今回リメイクしたという。
しかし、未だに前作公開時から分断は大して変わっていないどころか、悪化しているのではないかとすら感じさせた。
