ツクツクボーシ

ウエスト・サイド・ストーリーのツクツクボーシのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

冒頭からカメラが主役だとばかりの優れた導入。ただし、再開発予定地の廃墟みたいな場所なので、まるで戦争映画みたいなんだな。暴力の予感という感じ?

ましてや撮影ヤヌス・カミンスキーのくすんだ感じの絵が中南米系(プエルトリコ)の移民コミュニティの描写として適当だったのか疑問。加えて暗いシーンがやたら多すぎなのだ。「イン・ザ・ハイツ」はそのへん良かったなあ。

尚、私は以前の映画も苦手だった(しかも忘れてる)ので当然見方も辛くなるのだが、終盤のドラマの納得いかなさも甚だしいと思った。マリアの歌う「I feel pretty」で幸福の絶頂シーンも、決闘があることを知っててああなのが理解に苦しむ。ましてやその後自分の兄貴ベルナルドを殺した男トニーを受け入れちゃうわけで、疑問が尽きない。兄貴の彼女アニータなんてあれで済むわけないでしょう。

この結末の締まらないグダグダ感。政治的正しさの欲張りセット。会計士の彼をサラッと冷遇したマリアには笑ったが、それが跳ね返ってくる最後に主題として彼女のエゴだけが光に照らされて残ったという感じだろうか?



あ、ダンスと歌はハリウッドなのでそこは文句なしに素晴らしかったです。
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