ryupos

ウエスト・サイド・ストーリーのryuposのレビュー・感想・評価

4.0
 往年の名ミュージカルの再映画化。
見ていなくても名前、曲は知ってる人は多いはず。初めて劇場予告を見た際、「何故今?何故スピルバーグが?」と思ったが見てから納得がいった。
 前の作品、邦題で言う所のウエストサイド物語はスピルバーグにとってはドンピシャな世代のはず。「レディプレイヤーワン」のシャイニングシーンでもそうでしたが、彼が世代だった作品へのリスペクトはとても深く、その作品への味となっていた。今作でもその気持ちがビシバシと伝わって来る。パンフレットを見れば分かるのですがめっちゃ笑顔で楽しく撮っているんだなぁって。
 昔の私は街の不良がシマ争いしながら歌って踊るシンプルなストーリーぐらいの認識しかしていなかったが、この作品の根源は当時のニューヨークの貧困民による人種差別にある。昔の話とはいえ、今現在人種差別の問題は途絶える所か大きくなる一方、今回見て古臭い作品に感じなかったのはここにあると思えた。更に凄いのは露骨な改変がある訳でもなく嫌な要素になっていない事。第三勢力を作りシャークスとジェッツを協力させようだとか、アジア人も加えてみようだとか余計な味付けは一切ない。だから私が見たい物が見れた上で、この作品が伝えたい事がよく伝わった様に感じる。
あと関係ないけどパンフの料金に驚いた、設定資料集の値段。買っちゃったけど。
ryupos

ryupos