d3

ウエスト・サイド・ストーリーのd3のレビュー・感想・評価

4.0
過去を舞台にした作品が制作されるとき、“当時のリアル”が、“現代の価値観”や“現代が抱える問題”に置き換えられることがある。
これはいまに始まったことではなく、それこそ古典に関しては、世界中でその時代時代における現代的な解釈が加えられていた。エンターテインメント要素として当然のことであるし、本作においても過去作と比べると明確な違いが見て取れる。
それでも本質が損なわれることはない。

これは差別や断絶に対して“No”と声を上げ、自由を求める人たちの物語だ。
60年前に可視化されていた問題が、いまだ解決に至っていないことに愕然とした。

ただ、問題を抱えながらもスラムのなかの少年たちは、たしかに生活を楽しみ、青春期を謳歌しているように見える。
我々は、あの時代の人々のように人生を堪能できているだろうか。
冒頭のアンサンブルから圧倒され、ダンスが踊れたらもっと楽しめるだろうな、と思った。とりあえず、IMAXレーザーの大迫力は堪能できた。
d3

d3